時期が来たので仮想通貨の会計について語ります

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金融庁から「ICO(Initial Coin Offering)について~利用者及び事業者に対する注意喚起~ 」が発表される

本日はICOについて…

規制や会計というよりも私の雑感の記事になります。

 

 

ちょうど、10/27に金融庁から「ICO(Initial Coin Offering)について~利用者及び事業者に対する注意喚起~ 」という文章が発表されていましたので、つらつらとICOについて書いてみます。

 

 

ユーザがICOに応募する理由

「そもそもみんな、なんでICOに応募するんだろう。新しい仮想通貨欲しいんだろうか。」

などとと大石さんのブログを拝見していたところ、

下記のリンクにたどり着きました。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所:Initial Coin Offering について

https://www.amt-law.com/pdf/bulletins2_pdf/170915.pdf

 

上記によると、ICOにおけるトークンの配布には下記の5種類のタイプがあるというものです。

 ①「仮想通貨型」トークン 

 ②「会員権型」トークン 

 ③「プリペイドカード型」トークン 

 ④「ファンド持分型」トーク

 ⑤「アプリケーション・プラットフォーム型」トークン 

 

なるほど、そうですね。

決済手段として仮想通貨が配布されたり、会員になるため、サービスを受けるため、アプリを使用するためにトークンが必要だったり、トークンを買うと分配金があったりするとICOに申し込みますよね。

 

あと、そうですね、あれで「値上がり」「転売」これですね。

自分も「あぁ、BTCが誕生したころに購入しておけば今頃・・・」などと考えることが多いのですが、

「じゃあ、次のBTC買えばいいじゃん!よし、ICOに申しこも。」となる気持ちもわかります・・・

 

会社がICOをおこないたい理由、背景

じゃあ逆に会社はなぜICOをおこないたいのでしょうか。

もちろん、各種ホワイトペーパーにあるような理念の下ICOを発行したいというのはもちろんなのですが、

 

プラスアルファで

 ・株式の発行で自社の所有権(持分)を拠出する必要がない

 ・銀行からの借入金のように利子も発生せず返済の必要がない

 ・さらに万一ホワイトペーパーの内容を履行できなくても最悪何とかなる

という背景があるように考えられます

 

 

そうノーリスクなんです。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所:「Initial Coin Offering についにも書かれています

ICOは、トークン発行者にとっては、会社の所有権を株主に引き渡すことなく、また株式を上場した際に伴う膨大な

事務負担やコストを要せずに、世界中から短期間で多額の資金を調達できる可能性があることから、脚光を浴び

ている。一方で、トークンの購入者にとっては、これまでのICOではホワイトペーパーを見てもプロジェクトの詳細や実

現可能性が不明であることも多いこと等から、購入には大きなリスクを伴うことに留意が必要である。 

 

ICOの税務上の扱い

なお、ICOについては税務上の扱いという観点も大切なのですが、

かなり詳しくまとめてらっしゃる方がいらっしゃったのでこちらを参照ください。

ICOは売上計上とか、スイスの子会社使えば回避できるとかそういう話が書いてあります

ICOプラットフォーム「COMSA」は税務上どのように取り扱うのか?

 

仮想通貨の企業会計ルール|ICOの資金調達は「売上」で法人税が? - ビットコインの値動きや最新情報を、あなたに分かりやすく伝えたい

 

まとめ

ここまで整理してきて、金融庁がなぜいま「ICO(Initial Coin Offering)について~利用者及び事業者に対する注意喚起~」などという文章を発行したのかなんとなくわかりましたね。

もちろん、崇高な理念の下ICOをおこなっている企業が大半()だとは考えているのですが、

現状のICOの仕組み・規制では、悪意を持った組織がお金に目がくらんだ情報を十分に持たない利用者を餌にすることができちゃうからなんですね。

 はい、わたしも同意見です。