時期が来たので仮想通貨の会計について語ります

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平成28年6月の資金決済法改正と、仮想通貨交換業者における分別管理について

仮想通貨交換業者における分別管理の話など・・・

 

 

 

ご無沙汰してしまいました。
本業の方が忙しく更新が滞りました。
(といっても更新を待っている人なんていないのでしょうか・・・)

こちらも少し古い話題になりますが、
仮想通貨交換業者における分別管理について、少し掘り下げて解説していこうと思います。

 

 

ざっくりいうと
仮想通貨交換業者における分別管理ですが、
ざっくりいうと

平成28年6月の資金決済法改正をうけて仮想通貨交換業者が登録制となった
②登録業者に対して、利用者保護のためのルールに関する規定の整備がされた
③その規定のひとつが利用者財産の分別管理義務
④仮想通貨交換業者は公認会計士または監査法人による外部監査をうけ、その結果を国に提出する義務が生じる

という内容になります。

 

分別管理の外部監査項目

大きく分けて下記の5点となります。
「仮想通貨交換業者として商売を営んでいく上では下記の項目はきっちり整備して守りましょう。」
という項目になりますね。

①全般的事項
分別管理についてルールや体制はちゃんと敷かれてるよねという監査になります

②金銭の分別管理
それから預かった現金これもちゃんと、仮想通貨取引所のお金と顧客から預かったお金に分けて管理してるよねという監査
これが、全般的事項、預金等による区分管理、利用者区分管理信託にわかれます

③仮想通貨の分別管理
これが仮想通貨の分別管理です。仮想通貨取引所自体も自分達の仮想通貨とかを持ってたりしますので、
それは、顧客のものと分けて管理しなくてはなりません。

④ITに係る全般的事項
これはおたくのシステム大丈夫? 落ちない? 停まらない? の監査です

⑤分別管理に係るIT全般統制
そして最後がこちら。いわゆる、ITに関する内部統制ですね。
アクセス・セキュリティ 、開発・変更、システムの運用 、その他の項目に分けて監査項目が設定されています

うーん、これをこなしていくのは結構骨ですね。

 

仮想通貨交換業者の今後
上記のようにいままでは、国や外部機関によってチェックされていなかった仮想通貨交換業者ですが、
資金決済法改正を受け、仮想通貨交換業者の登録業者となったあとは定期的な外部監査とその報告が定められました

これは、利用者保護の観点としては規定路線で、今後はこの傾向は強まっていくのではないかと予想しています。
現状、顧客の資産を預かる金融業者(銀行や証券会社)は厳しい規制と外部監査を受けながらの運営をしていますので、
将来的にはそれと同等のレベルの運営が仮想通貨交換業者にも求められるようになるかもしれません。

 

うーん、この。

 

参考

BUSINESS LAWYERS:第1回 資金決済法の改正に伴う「仮想通貨交換業」の規制とは
https://business.bengo4.com/category3/article162

 

日本公認会計士協会:「業種別委員会実務指針第55号「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/main/20170531juc.html

 

日経経済新聞:仮想通貨 取引所を登録 まず11社、異業種も 利用者保護へ経営監視
https://www.nikkei.com/article/DGKKASDF29H0X_Z20C17A9EA4000/